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【ここに願いを − O.S 】1 ページ32
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朝から昼に変わる太陽を
左半身にめいっぱい受けながら
手元の塊を無心でこね回してると
ピピピピッとスマホのアラームが鳴った。
「んな時間か…。」
こねかけの中途半端な粘土は
平べったい四角形のような状態で
もう少しだけ整えようかと逡巡したが
頭をぶんぶんと2度振って諦める。
手にこびりついた土は
ちょっとやそっとじゃ取れねぇから
今日の一発目は雑誌の撮影だし
ちゃんと綺麗にしとかねぇとマズイ。
ローテーブルを埋め尽くす粘土を見ながら
まぁいいかと独り言ちて洗面台へ向かった。
今しがたマネージャーから
あと5分で下に着きます、と連絡が入った。
「今日は無理そだな。」
さっき仕舞ったスマホをまたポケットから取り出し
− 行ってくる。
無意識でそう一言だけを打ち込んで送信。
習慣ってのはすげぇぞ(笑)
“い”と入力すれば賢い予測変換は
ひとつめに“いいよ”
ふたつめに“行ってくる”
みっつめに“家にいる”
と出してくる。
コレだけで俺の生活が丸分かりだ(笑)
＊
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年3月5日 1時
