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【17年恋の木 − N.K】2 ページ30
＊
貴方の視線の先には
いつだってアイツがいた
太陽に向かって咲くヒマワリみたいに
まばゆいばかりの笑顔を振りまくアイツ
ほんとさ イイ奴なんだ
あったかくて強引で繊細でさわやかで
とにかくとにかく優しくて…
そういえば貴方とアイツはちょっと似てる
あれはいつだったか
空気みたいにうまいこと存在する術を覚えた俺
その技を習得できなかったやつが
集団にいじめられる日々が続いた
そんなやつらに同調することはなかったけれど
だからと言って何もできなかった俺と違って
立ちはだかったのが貴方とアイツだった
くだらないことはやめなよと
真正面からぶつかった貴方
もっと楽しいことしようよと
笑顔で皆の視線を逸らしたアイツ
やり方は違ったけど
迎える結末はきっと一緒
優しさは未来を救うんだ
だから二人はきっと
幸せになるだろうって思ってた
ホントお似合いだったから
それなのに
アイツが他の女の子と付き合い始めるなんて
運命なのか偶然なのか
どっちにしたって残酷だよ
それよりずっと前から
アイツだけを映してた貴方の瞳が
張り付けた笑顔の中で揺らめくのを見て
家のアイマスクを貸してあげたいと
何度 何度 思ったことか
＊
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年3月5日 1時
