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【地平線な心 - A.M 】2 ページ24
＊
夕方の少し荒れ始めた海を前に
ポツンと座り込む君の後ろ姿
こう見えてもね？
僕だって男なんだよ？
目を腫らして海を見つめる君を
このまま攫いたいって思うぐらいにはね
でもそんなことしたって
君の涙が乾かないんじゃ意味がない
「まーくん…私…」
不安そうに見上げないで？
僕が先に泣きたくなっちゃう
「私たちもうダメなのかも…」
あぁ ダメダメ
小さく震える肩なんか
黙って見てらんないんだってば
ギュッてしたくなっちゃうよ？
「私いっつも翔くん怒らせちゃって…」
ついさっき“まーくん”て呼んでくれた口は
あっという間に“しょーくん”に早替え
まるでステージ裏のアイドルのよう
“まーくん”の音には
ありがとうも優しさも助けても泣きたいも嬉しいも
たくさんの気持ちが込められているけど
“しょーくん”の音には
ただただ愛してるだけが詰まってる
僕の方がたくさん込められてるのに
聞く度に悲しくなっちゃうのはなんでだろうね
ほらほら
揺らいじゃダメなんだってば
僕がグラつくと君を支えらんない
ふぅーっと大きく息を吐いて
胸のあたりで暴れようとする
悪戯なデコボコした小人たちを追い出して
そう 平坦に まっすぐにね
海の向こうに見える地平線みたいに
ピーンと張った僕の心
＊
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年3月5日 1時
