short×short - ars (ページ3)

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【ホンモノの灯り - N.K 】3 ページ3

＊

1人寂しいシャワーをささっと済ませ

微動だにしていないキミへ近づく

両サイドには畳み掛けの洗濯物で

ポーズさせたテレビの画面には

メンバーと爆笑するオレのどアップだ

一時停止って…と苦笑しながらオフる

ベッドへ運ぶために

変な風に顔の下敷きとなる腕を抜くと

瞼がピクピクと動いて中から瞳が揺らいだ

「うﾞー…和…く…？」

「ん。ただいま。」

寝ぼけた様子で唸るキミを

覗き込むように体を寄せると

オレに向かってふわりと腕が伸びる

その手をほったからしにして

跡のついた頬に触れた

「ん…和くん…だ…ふふ。…おかえり？」

微かにお酒の匂いがするキミと

ようやくひっそり目が合って

怒涛の疲れさえ心地良いものに変わる

「…風邪ひくでしょーが。」

久しぶりなのに

こんな言葉しか出ないオレを見て

それでも満足そうに微笑むから

「ホンモノ…和くん…」

ふよふよと宙を彷徨う手が

オレの肩を掴んだと同時に

堪らなくなってその唇を捕まえた

Fin.

＊でこぼこ＊