【素直なままで − A.M 】2 ページ16
＊
メイクを終えて楽屋に戻ると
寝てたはずのおーちゃんが
いつもの優しい顔でふにゃふにゃ笑う
「あいばちゃん、めっちゃ電話鳴ってたよ。」
「あ、ホント？ありがと。」
「ブンブンうるさいのよ。」
「ごめんごめん。」
鬱陶しそうなセリフを
さして鬱陶しくなさそうな顔で言うから
思わずふふって笑いながらニノに謝る
携帯をみたら着信が3件
ぜーんぶAちゃん
こーゆう時の対処法はバッチリ
その��
ほんの一瞬でもいいから掛け直すコト
「あ、もしもし？」
「…もしもし。」
「電話ごめんね？メイクしてた。
どしたのー？なんかあった？」
「…別にないけど…。」
「くふふっ。ないんだ？」
三角座りでゲームしてるニノが
横目で分かるぐらいはぁ？って顔した
「Aちゃん何してたの？」
なかなかさ
言いたいこと言えない子なんだよ
その��
話を繋いであげるコト
「んー…赤坂にいる。」
「そーなの？
あ、もしかしてうち来てくれんの？」
そっかそっか
その電話なんだね？
要件が分かればこっちのもの
その��
ちょっと強引に進めちゃうコト
「いや…そーゆうワケじゃないけど…。」
「ん？違うのー？
でもせっかく近くにいるんだから
まぁ今日はさ？うちおいでよ？
多分ね、んー…あ、ちょっと待って。
…しょーちゃん！今日俺何時あがり？」
静かに新聞読んでるしょーちゃんに聞いたら
チラっと俺を見たあと
片方の口角を男前にくいっとあげて
「今日は俺と一緒だよ。
んだから…10時半には終わんじゃない？」
って教えてくれた
しょーちゃんの脳内スケジュールは完璧
あ、ただトラブルがあれば別で
そーゆーのを呼び込んじゃう節がある
ってのもしょーちゃんあるあるだけど
ありがとってお礼を言って電話に戻る
「あ、Aちゃん。
んとね、今日多分11時には帰れるから
ちょっと遅いけどうちで待ってて？」
「…うん。わかった。」
「ふふっ。ありがとね？じゃーまたあとでね。」
尖ってた声が少し柔らかくなったから
嬉しくて笑いながら電話を切った
「雅紀の彼女、甘やかしすぎじゃね？」
しょーちゃんに笑われたけどね
そんなことないんだよ？
＊
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年3月5日 1時
