でっかい愛 ２

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みんなの前やっていうのに、とも、抱きついてきてん。


「とも、大丈夫か？怪我してへん？」


「それはこっちのセリフ！
なんで部屋に入ってくんよ！
俺、心配で、生きた心地せんかって・・・」


ボロボロ泣き出す。


「ごめんごめん」


「軽い！謝り方！」


「俺は、この通り、大丈夫やから、な？」


頭撫でて、ともの手を引いて、廊下に出る。


「神山！神山！神山！」


ともを呼び続けてる、

大林の狂気じみた姿、ともに見せたくなくて。


そのままホテル出て、海までやって来た。






夏の夜、潮風の匂い。


寄せては帰す、規則正しい波の音。


暖かい月が俺たちを見守ってる。


ついさっき、
あんな非日常な出来事があったなんて信じられへん。

目の前の光景は穏やか、そのもの。

別な世界に迷い込んだみたい。


「大毅くん、ごめんなさい。
俺のせいや。
大林先輩がホテルの宴会場に現れて。
俺、怖くなって・・・
逃げたのが良くなくて。
結果的に一人になってしもて」


「とも、怖かったな？
一緒に居られずにごめん」


「ううん・・・。
大毅くん、助けてくれた。
怖かった、
もう、大毅くんに会われへんかもって・・・」


とも、泣き出してしもた。


「もう大丈夫や。
怖い思いさせてごめん」


「ううん、俺こそ、ごめんなさい」


「とも、謝らんでええよ？」


「やって、俺のせい。
いつだって・・・
迷惑ばっかりかけてる」


「とものせいやない。
大林が悪いねん。
それに迷惑なんかとちゃう。
番やねんもん。
俺がともを守るのは当たり前のこと」


「大毅くん・・・」


「とも、他の誰かにも口説かれたりしてへんよな？」


「なんで、いきなりそうなるん」


「とも、モテるから。心配や」


鉄のような大林をあんなに狂わせるって、
よっぽどやと思う。

ともに魅力あり過ぎるのは、
俺が一番分かってることやし。


「それ言うたら、大毅くんやん、
今日、小瀧くんに告白されたやろ？」


「え、なんで知ってんの？」


「やっぱり、そうやねんや」


「とも、カマかけたん？」


「心配でたまらんかった。
小瀧くん、可愛ええし。
大毅くん、ふらっといってまうんちゃうかなって」


「俺がとも以外に気持ち行くわけないやん」

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