でっかい愛 ２

８ ページ26

「あの。番の誕生日なんですけど・・・
何が良いと思いますか？」


ひゃあ！

他の人に初めて、番、なんて言うてもうたし！


むちゃ照れるけど、ええ気分。


「それでしたら・・・」


指輪、見せられて。


それは気が早いかも？なんて。


濱ちゃん先生の言葉が脳裏に浮かぶ。


赤ちゃん、イコール結婚よな。


もう同棲してるようなもんやし、

将来考えてるのは、暗黙の了解やねんけど。


結婚てなったら、ちゃんとプロポーズしたい。


「指輪はもうちょっと後に取っておきます」


「そうですか、なら、」


ピアスやらブレスやらネックレスやから。


俺には正直、全部、おんなじに見えてまう。


ともが付けてるとこを想像。


あかん、どれも似合い過ぎて、余計に選ばれへん。


やっぱ、指輪、あげたい・・・


ともの真っ白で綺麗な指、好きやねんな・・・


結局、


「少し考えます」


言うて、そそくさと退店。


これを何回繰り返したか。


俺、あほやろ。


店を出て、あんまり疲れたから、

滅多とせん、カフェでお茶。


目の前にファーストフードがなかってんもん。


ちょい高いけど、仕方ない。


最近な、ますます節約に精を出しとる。


理由は言わずもがな。


ともとの結婚のため！


目標金額貯めてから、プロポーズしたいし。


それに最近、

結婚するなら、

二人だけの建築事務所を持てたらって思うようになってきてる。


いつもいつもヒートの時そばにおれるとは限らんし、

そしたら、出勤やりくりするの、とも、大変やん？


二人の事務所なら融通効くしな。


淳太と淳太んとこの税理士さんに相談したら、


ともの設計のセンスと、

俺の営業で培った人脈使うて、


なんとか軌道に乗せられるんちゃうかって。


頑張らなあかんなあ。


「せーんばいっ、」


アイスティー飲んでたら、肩をトントンって叩かれて、


「うわっ！」


あんましびっくりしたから叫んでもうた。


「重岡先輩、久しぶりっ！」


「なんや小瀧やんけ」


「久々やのに！
もうちょい喜んでや！
先輩、全然ジムけえへんし」


大学の後輩の小瀧。


学科もゼミも、
バイトもフットサルサークルもおんなじやった。

９→←７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す