でっかい愛 ２

君の印。１ ページ2

赤side


土砂降りの雨の中、営業車へと駆け込んだ。


今日ぐらい、公私混同させてもろてもええよな。


助手席で、神ちゃんは、ずっと震えてる。


夏のはじめやのに、雨のせいか今日は冷え込んで・・・


急いでエンジンかけた後。


「寒いよな？暖房もうすぐ効いてくるはずやから」


後部座席探って、
乗せっぱなしやった、

会社のロゴ入りのウィンドパーカーを神ちゃんに被せる。


「重岡は？寒いやろ？」


「俺は平気や。
なんせ鍛えてるしな。
それに日焼けして日光溜めてあるねん」


「何言うてんの、もお。
ごめんな。
せっかくの男前に怪我させてもうて。
痕にならんとええけど・・・」


「大丈夫やって！
それより、俺のこと男前言うた？」


「ええやん、それは！」


「照れてる。可愛ええなあ、もお」


くしゃっとはにかんだ顔も久々や。


やっと、触れられるところに、大好きな子がおる。


大切な俺の宝物。


「神ちゃん、眠いやろ？寝といてええで？」


そう言うと、素直にうなづいて。


よっぽど疲れたんやろな。


神ちゃんは、ものの数秒で眠りに落ちてった。



警備員さんが呼んでたらしい、
警察のパトカーとすれ違った。


オメガへの性的暴行は、

社会的に、


仕方のないこと、

オメガの自己責任でもあるって、


ほんま、おかしな風潮蔓延ってるから。


多分、刑事罰はつかへんやろな。


会社も大事にはしたくないやろし。


自主退職か、

良くて、発展途上国への異動になるやろうなって思う。


あいつは、ほんまの疫病神や。


アルファと番になって愛し合えば、

オメガのこの、誰も彼もを執着させてまうフェロモンは、

ある程度、抑えられるって、読んでんけどな・・・


個人差あるし、試してみな分からへんらしいけど。


・・・ヤバ。


想像だけで、息苦しなってきたわ！


一回の抑制剤の効果は、数時間らしい。


神ちゃんの首筋から放たれるフェロモン自体は減ってるから、

なんとか理性を保って運転してるものの。


神ちゃん自身は、辛いまんまなんやんな？


今は、副作用の眠気の方が勝ってるみたいやけど・・・


無意識なんかな。


俺のウィンドパーカーのフードで顔を隠して、

鼻、すんすんしてるねん。

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