でっかい愛 ２

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「大学の後輩の小瀧。
偶然ここで会うてん。
そんで、こっちが、えっとな、
さっき言うてた俺の番の、とも」


きっぱり宣言してくれた。


「初めまして。神山智洋です。
今、名刺、持ってなくてすいません」


お辞儀した俺の隣。


「律儀やなあ、ともは。
小瀧、ともな、俺の会社の同期やねん。
部署は違て、なんとな、設計士やねんで！
カッコええやろ」


なんでか、大毅くんがドヤってる。


その態度に、
小瀧くんは、狼狽えてるって感じ。


「初めまして。小瀧望です。
重岡先輩の後輩で・・・
目の前のホテルで働いてます。
と言っても、
明日から、
ニューオープンするホテルに異動なんすけどね」


そっと小瀧くんが指差したのは、

窓の向こうに聳え立つ、
誰もが知ってる高級ホテル。


そう言えば、
今、うちの社が、

新しくオープンする、
同じ系列のリゾートホテルの建設手掛けてる。

設計は安田室長で、
営業担当は村上課長の、

最強コンビ。


そこのことかな？

そんなとてつもなくでっかい仕事、
勿論、俺の担当ちゃうけど。


「大毅くんがいつもお世話になってます」


ちょっと、恋人面し過ぎたかな。


けど、ほんまもんの恋人やもん、ええよな。


この子、大毅くんのこと好きなんかな。


もやもやばっかり。


「とも、ここ座り」


とんとんって、
椅子を叩かれたから、

素直に腰掛ける。


大毅くんの友達やもん、俺も仲良くしたいし。


番やって紹介してくれて嬉しい。


「重岡先輩が番作るなんて。
びっくりした」


小瀧くんが何回も言う。


「俺かって、もうすぐ２７やで！
そら、運命の人にも出会うわ」


「大毅くん、恥ずかしいって」


「でへへ。
悔しかったら、小瀧もはよ番作れ」


「うっさいで、重岡先輩のくせに」


・・・やっぱり、小瀧くんは、オメガ？

こんな可愛ええのに、番おらんの？


それは、大毅くんのこと、好きやから？


「とも、クレープ食べるやろ？」


「うん」


「すいません！」


店員さんを呼ぶ大毅くんを、


小瀧くんは、切ない目で見つめてる。


その瞳の色で、予感は確信に変わった。


この子はライバル。

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