この言葉を（zm） ページ10
嘘であればどれだけ良かったか。
そんなこと思ってももう遅かった。
戦争があった。
優勢やった。だからかいつもより気が緩んでもうた。
戦場で、敵が目の前におるのに。
Aは俺を庇って怪我をした。
傷が深くて、はよペ神のとこ連れてかな危ないってのは俺でもわかって。
すぐ連れていきたかった。この場を離れてこいつを治療してもらいたかった。
『...ゾム、さん...大丈夫、だから...今、は...敵に、集中、して...』
辛そうなAを見て、無理やりにでも連れていこうって思ったんに体が動かせん。
頭では連れていきたいって思っても、体は彼女言うことを聞けって言うとって。
『大丈夫、だよ...だから、お願い...』
Aは痛みに耐えながら、俺の手と頬に自分の手を添えてそう言った。
頬に触れる彼女の手に触れ、小さく頷き俺は敵の殲滅に向かった。
結果的に戦争は俺たちの勝ちやった。
せやけど、代わりに、Aは、もうおらん。
俺のそばにおったあいつは、どこ探してもどこにも。
「Aどこにおんの...？」
あの日から何度涙を流しても枯れることはなかった。
夜になる度にAの体温を感じられなくて泣いて、朝になる度にAの声を探して泣いて。
そこにあいつがいたはずなんに、Aがいた証が少しづつ消えてって。
まるで最初からいなかったみたいに。
俺ん中でもあいつがおった証が消されていって、もう声も思い出せんくなった。
ずっと、覚えてたいのに、その意思に反してどんどん証は消えていく。
「なぁ...俺、まだ言えてへんよ...」
ずっと言いたかったのに言えなかった言葉を、まだ言えてへんのに。
もう、伝えられへんねんな。
ごめんなA。俺が弱いせいで、ほんまに、ごめんな...
俺たちに次があるんやったら今度は、絶対守ったるから。
やから...待っとってな。
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鯉口(プロフ) - 赤羽 紫音さん» コメントありがとうございます！ (2020年4月4日 3時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 紫音 - 凄い！ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ノアさん» 主催者の鯉口です。コメントありがとうございます(*^^*)まだまだ続きますので更新をお待ちください！ (2020年2月29日 1時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ好きです！ 文才分けて欲しいぃ((( 毎日、楽しみにさせてもらってます！ 更新頑張って下さい！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 47bc0266fa (このIDを非表示/違反報告)
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