2 ページ36
「追い出そうが何しようが、
君がこれから迎える未来が破滅だろうが
幸福だろうが、私は見ているよ」
「ああ、本当に鬱陶しい。
あなたの声も顔も表情も、
その態度も全てが憎たらしい。
どうしてまだここにいるのか。
せっかく追い出せたと思ったのに」
「それは残念。なぜなら私が強いからだ」
「黙りなさい。
あなたと話しているとストレスになる。
非国民は関わるな」
「君がそうしたんじゃないか。
国を出ようが出まいが、私は関わっていたよ」
彼女の嗤った顔が憎くてたまらない。
その首を絞めて声を潰したくてたまらない。
「オスマン枢機卿？」
「――！ どうしましたか、オプロイテ」
講堂に入ってきたオプロイテが
眉をひそめながらこちらを見た。
そろりと恐る恐るこちらへ歩いてくる
オプロイテを、手で制して足を止めた。
「大丈夫ですよ。何もありません」
「そうですか……。」
「先ほどから、お一人でお話ししていらした
ような気がして……。どうかなさいましたか……？」
自分の目の前には聖櫃がある。
オプロイテはそれに向けて話していたと
思ったらしく、心配の顔で自分を見た。
「大丈夫です。何もありません」
「……分かりました」
そそくさと講堂から出て行く
オプロイテの背中を見た。
講堂の柱の側に立っていた彼女も
オプロイテを見ながら、口元を歪ませる。
その歪みかたが異常で、
目をさらに細めながら
自分を見下ろすように顔を上に上げて、
こちらに視線を戻した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鯉口(プロフ) - 赤羽 紫音さん» コメントありがとうございます！ (2020年4月4日 3時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 紫音 - 凄い！ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ノアさん» 主催者の鯉口です。コメントありがとうございます(*^^*)まだまだ続きますので更新をお待ちください！ (2020年2月29日 1時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ好きです！ 文才分けて欲しいぃ((( 毎日、楽しみにさせてもらってます！ 更新頑張って下さい！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 47bc0266fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
