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「……っA！」
不意に名前を呼ばれて振り返れば、そこにはシャオロンが居た。慌てて返事をするも、直前までの記憶が殆どない。幹部棟の廊下を歩いている最中だったようで、天井から垂れ下がる見慣れたシャンデリアに目がゆく。
「おいお前…昨日あの後ちゃんと寝たん？今日まじで意識飛んでんなぁ」
「…寝た寝た。なんでだろ、ごめんね」
それにしても何故、自分とシャオロンは今幹部棟で歩いているのだろうか───
そう思って視線を自分の正面へと戻し、左足を1歩前に踏み出そうとすれば、それは何故か憚られる。右足を踏み外して、体のバランスを崩したものの、それは何かによってすぐに受け止められた。次の瞬間聞こえたのはいつもの煩い声と、視界いっぱいの菫色だ。
声と色が一致していないことに気づいたのは、その後。
「おい、Aホンマに大丈夫かぁ、お前アホやなぁ！アッハッハッ！」
「……なんだもう、シッマいたのか…ありがと」
ぐい、と受け止められたものから手を離して自力で立ち上がろうとする。軽くお礼を言って…と思った先に聞こえてきたのは全く知らない声だった。反射で顔をあげれば、かち合ったのは痛いほど見覚えのある藤色。
「…へぇ、お礼は言えるんすね。嘘しか言えへんのかと思っとった」
先程まで受け止められていたのは彼の右腕だった。
勢いよく振り向けば、コネシマとシャオロンが先に話を進めるのが聞こえる。曰く、「俺の軍事学校時代の後輩」と。
ｷﾞｷﾞｷﾞ､と効果音がつきそうなくらいぎこちなく首を元の位置へ戻せば、殺意たっぷりの笑顔が注がれる。少しあの頃の面影を残した顔は、昔より遥かに逞しかった。もう私の後をついてまわるくらいきっと彼は子供じゃないし、可愛くない。声も深く低く、背丈も私より頭一つ分は大きくて。
でもそれはきっと私にとって“孤児院内で1番仲の良かった奴”そのままなのだろう。
だって、やっぱり彼はここまでついてきたんだもの。
「ねぇ？A。嘘ばっかつきよって、突然消えるわで俺どんだけ探したと思ってねん」
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鯉口(プロフ) - 赤羽 紫音さん» コメントありがとうございます！ (2020年4月4日 3時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 紫音 - 凄い！ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ノアさん» 主催者の鯉口です。コメントありがとうございます(*^^*)まだまだ続きますので更新をお待ちください！ (2020年2月29日 1時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ好きです！ 文才分けて欲しいぃ((( 毎日、楽しみにさせてもらってます！ 更新頑張って下さい！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 47bc0266fa (このIDを非表示/違反報告)
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