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 幹部の中では、銃器はショッピだけの特別なものだ。
チーノが後で顔を出してみようと心密かに思っていると、同時にあることを思い出す。








「……そういや、先生はどうしとんやろう」







 チーノの頭に、ある一人の人物が浮かんだ。
先輩幹部の一人で、自分とよくつるんでいた青色の目の彼は、今どうしているのだろうか。





(あとでショッピに聞いてみよう……。
先生の担当はあいつだし)





 ショッピに手を振ったときの表情は一変して、曇った顔つきになったチーノは、足早に図書室に向かった。







(……元気になってるとええねんけど)
















「琥珀の特性、ですか」
「まだ知らない何かがあるんじゃないかと思って」
「基本的な使い道や硬度のような特徴しか今のところは……」





 チーノにとって、帝国一番の物知りはエーミールだった。
彼が知らなければ誰も知らない。
そう思い込んでしまうくらい、チーノは参謀のことを信用し、慕っていた。





「琥珀は鉱物ではないので、私たちとは違って熱伝導があります。
鉱物特有の冷たさがないゆえに、溶けやすくもありますね」
「溶けた腕を操れたらよかったのに」
「それはちょっと怖いですね」




 チーノはあごに手を当てながら考える。
地道に探すほかに道はなさそうだった。





「溶ける、までとはいかなくとも、身体の柔らかさは何かに活かせるかもしれないですね。
といっても、その糸口も難しそうです」





 市民の間で流行っている小説のように、必殺技を生み出せる主人公であったなら可能だったかもしれない。
だが鉱物の身体とは言え元は人間だ。
超人的なこと自体が難しい。






 エーミールとチーノが何百回目かの模索をしていたとき、図書室の扉がガララ、と大きく開かれる音が響いた。
二人がそちらに視線を向ければ、おや、と揃って目を見開く。





「なんや、射撃の練習は終わったんか?」
「ええ。上限を超えたら怒られるので」





 扉の前に立っていたのは先ほど銃の訓練をしていたショッピだった。
銃器はもう持っていなかったが、服に煤のような黒い汚れがついていた。





 エーミールが椅子に座るように促したが、ショッピは軽く首を横に振って断った。
長居をするつもりはないらしかった。







3→←【5】お見舞い



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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます!最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、?あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鯉口 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年5月17日 0時

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