▶︎ 未練タラタラ男、じゅったん ページ7
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一度離れたのは、俺の重すぎる愛のせい。
好きすぎて辛いとか、女々しいこと言ったのは俺だった。
「 何で他の男と話す必要あるわけ？ 」
『 他の男って…北斗くんたちだよ？ 』
「 いや、あんな距離で話す意味なくね？ 」
その頃、俺とAは小さいことで喧嘩することが増えてて、でも絶対その喧嘩は俺が悪いのね。
今考えても、わかる。
でも、その時は悪いってわかってても「 何で俺の気持ちわかってくんねえの？ 」思考の方が強かった。
菊池「 男社会にいるんだから話すなは無理だろ。 」
「 距離感の話してんの、俺。 」
菊池「 別に浮気するタイプでもないんだからさ。誰が見たって樹にぞっこんじゃん。そんな不安になるなって。 」
周りの奴も誰も分かってくんなくて、俺自身も初めての重すぎる感情についていけてなかった。
だからこそ、どうやって発散したらいいのか、どう折り合いをつけるべきなのかも分からず。
『 翔太くん、この前教えてくれたお店行ったよ！ 』
渡辺「 お、まじ？めちゃくちゃ美味くなかった？ 」
『 美味しかった！わたしが好きな味よく分かったね。 』
渡辺「 みぃの味覚は大体わかるわ。 」
先輩後輩構わず、仲良くしてると妬いて、その度にAの部屋行って、怒りを全てぶつけてた。
その頃には一線も超えてたから、行為に現れる時だってあって、何度泣かせてたかも分からない。
「 …っ、まじで、なんでわかってくんねえの？ 」
『 樹…くん、？ 』
「 俺…っ、お前といるのしんどい、 」
そんな状況が続いて、やらなきゃいけないこともたくさんあって、珍しく情緒不安定になってた俺が限界を迎えた。
これが、俺たちが一度離れるきっかけになった。
離れるタイミングではちゃんと知らなかったけど、この時にAも相当悩んでいたらしい。
『 ねぇ、樹くん。 』
「 ん？ 」
『 わたしたち、今一緒にいるべきじゃないよね。 』
「 …は？別れるってこと？ 」
思い出しても恥ずかしいくらいのメンヘラ男。
自分が辛いとか言っといて、いざAに言われたら離れたくなくて。
でも、俺たちは仕事にも影響し始めてた。
『 大好きだよ。でも、今一緒にいても…樹くんを笑顔にしてあげられない。 』
何より、Aをもう苦しめたくなくて…離れた。
でもこの別れが、さらに俺たちを苦しめることになるなんて、その時は想像すらできなかった。
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作者名：moi | 作成日時：2024年3月26日 23時
