▶︎ メンバーの前でイチャつくな ページ11
- hokuto side
うちの美井は、本当によくモテる。
モテ期という概念は、彼女にはないんだと思うほどに、万年モテてる。
そりゃ、樹はもちろん心配するわけで。
「 お前は誰のものなの？ 」
『 お前って言わないで！ 』
「 怒らせたのがわりーよな？ 」
『 もう！樹くんのだってば！ 』
楽屋に入ってくるなりワーワー喧嘩をしてるこのカップル。
まあ、喧嘩というよりは子どもの小競り合いみたいなもんだけど。
相変わらず「 お前 」って呼ばれるのが嫌な紅一点を見つつ、ちょっと笑ってしまう。
「 俺のなのに何でさっきあの男に、また今度〜とか言うわけ？わけわかんないんだけど。 」
『 …社交辞令ってご存知ですか？ 』
「 今俺のことめっちゃ馬鹿にしたべ。 」
『 アホなのかなとは思った。 』
「 まじで抱き潰すよ？ 」
真昼間からなんてことを言うんだと思ってたら、ちらりとコチラを見たAと目があった。
『 ほっくん、助けて！ 』
松村「 あ〜俺今一番巻き込まれたかなかったかもしれないよ。 」
俺が座ってたソファーの隣に飛び込んできて抱きついてくるから、そっと頭を撫でてやれば、子猫みたいに目を細める。
樹の彼女といえど、俺たちにとっても可愛い可愛い紅一点なわけで。
こういう姿を見ると、愛おしいと感じる。
「 北斗、お前一回俺と喧嘩する？ 」
松村「 しないのよ。俺、巻き込まれた側ね？ 」
「 しれっと頭撫でてんなよ。 」
パシッと手を叩かれて、そのまま抱き上げられて連行されていくAを見てたら、今度は鏡台のところに座らされて説教を受けてる。
「 もっと危機感持てって言ってんじゃん。 」
『 樹くんはいいんだ。 』
「 何が？ 」
『 自分だって女の子に連絡先聞かれて、また今度っていう。 』
さて、どう出る？樹。
今にも泣きそうな顔してるAと、バツの悪そうな顔してる樹を交互に見ていれば、Aの真っ白な手が樹の服の裾をギュッと握る。
『 …樹くんだって、Aのって自覚ある？ 』
はい、ノックアウト。
ほんのり耳を赤くして、手の甲で口を覆ってる樹。
そりゃね、側から見てる俺でさえもどきっとしたよ。
「 みぃのに決まってんじゃん。他の女なんてこれっぽっちも興味ねーから。 」
仲良いのはいいんだけど。
お二人さん、楽屋でキスはやめてもらえる？
俺の存在、消えてる？
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作者名：moi | 作成日時：2024年3月26日 23時
