▶︎ 口癖、「 可愛い 」 ページ2
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人は恋をすると変わるとよく言うけれど
その言葉の意味が、今ならよく分かる。
「 …は？天使かと思った。 」
『 え？なに？ 』
「 …ちょっと、待って。…おま、可愛すぎんだろ。 」
『 …ありがとう？ 』
「 お礼まで言えんの？天才？可愛いな。 」
アラームの音より先に目が覚めれば、ベッドの隣に置いてあるドレッサーに腰掛けてる姿が目に入った。
背中の半分くらいまで伸びた髪は、動くたびにふわりと揺れて、白くて細い指先で瞼に色をつけてる。
女の子のメイクしてる姿ってあんま好きじゃなかったんだけど、今目の前にいるこいつのはずっと見てられる。
寝転んだまま近くに寄って、冒頭の会話を交わしたところで、『 挨拶とお礼は基本でしょ？ 』なんて微笑むから、また胸がキュッと締め付けられた。
「 まじで可愛すぎるから、俺これが人生最後に見る景色でもいい。 」
『 樹くんって、たまに変なこと言うよね。 』
「 お前が可愛いのが悪くない？ 」
『 お前って言わないで。 』
唇をむっとした顔もまた可愛くて、起き上がって後ろから抱き締めれば、俺を見上げてくる。
「 ごめん。おはよ、みぃ。 」
『 それも好きだけど。 』
まだむっとしてる唇に軽くちゅっと唇を重ねれば、嬉しそうに頬が緩む。
「 A。 」
『 なあに、樹くん。 』
「 かあいい。 」
『 もう〜…そればっかりだね。 』
「 仕方なくね？ 」
くすくすと笑う姿も愛らしくて、こういう何気ない瞬間に「 あ、この子俺のなんだ。 」って感じるし
ちょっとした優越感。
嘘。
かなりの優越感。
『 朝ごはん、食べる？ 』
「 何時迎えだっけ。 」
『 あと1時間くらいかな。 』
座ってるとあんま感じないけど、立った時の身長差もめちゃくちゃちょうど良くて可愛い。
自然となる上目遣いで、『 どうする？食べない？ 』なんて聞かれて、食べない選択肢なんてなくね。
「 飯食うけど、その前にもっかい。 」
『 うん？ 』
少し屈んで、「 ん。 」と唇を近づければ、またくすくすって肩竦めて笑う。
これ、本人知らない癖なんだけどさ。
めっちゃ可愛い。
軽くちゅっと2回唇が触れて、最後に頬にもちゅっと触れた。
『 上、着てきてね。 』
なんて耳元で囁かれて、素肌に一瞬触れた指先だけで、思春期の男子かよってくらいドキッとした。
俺、マジでいつからこんなんだっけ。
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作者名：moi | 作成日時：2024年3月26日 23時
