思わせぶりなキミ (ページ3)

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「なぁに話してるの？」

『、、、っ、深澤くん、、』

ほら、もう。そういうとこだって。

心臓がはち切れるんじゃないかってくらい
ドキドキしてる私なんて知らずに、
深澤くんは私の肩に腕を回しながら顔を覗き込んだ。

勘違いするからやめてほしい、なんて言えるわけがない。
私以外の女の子にもしてるの？なんて聞けるわけがない。

だって深澤くんの彼女でもなんでもないんだもん。
まあ、強いて言うなら他の女の子たちよりは
ちょっとだけ仲のいい友達、、、。

私が思ってるだけかもしれないけど。

「え？こいつが毎朝ふっかのこｔ『えっと！い、いい天気だねって話、、』

翔太は危ない。危なすぎる。
私が二年も頑張って隠している気持ちを
いとも簡単に言おうとする。

「ふ～ん。なんでもいいけどさ、俺意外とあんまり楽しそうに話してほしくない。
　翔太でも。、、なんつって(笑)」

ねぇ、それどういう意味？
深澤くんだって私以外の子と楽しそうに話してるじゃん。

『ねぇ、それってどういう…』

「あっ、やべ、HR始まるから戻るわ！じゃーな！」

言い逃げなんてずるすぎるよ。

でも、結局二年もこの気持ちを伝えることが出来ないのは
この関係が壊れてしまうんじゃないかって怖がっているから。
私に勇気がないから。

「Aもそろそろ素直になれよー」

翔太には毎回こんな感じで呆れられる。

わかってるよ。わかってる。

この時の私はまだ、深澤くんの中では私が一番なんじゃないかってどこかで自信があったのかもしれない。