早く大人になりたい。 (ページ2)

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──今日の探偵社はいつもよりにぎやかだった。

「おいA!本当に試験を受けるのか⁉」

心配そうに私を見てくるのが私の師匠の一人、国木田独歩さん。

貴「もう向こうにも連絡を入れたんですから今更逃げ出すわけにもいきませんよ。」

「Aちゃんも大人になったんだねぇ。」

貴「ちょっとクソ包帯野郎は黙っててもらえませんか。」

「其れを真顔で云うなんて相変わらずブレないね。」

そして、私がたった今罵倒を浴びせた相手も其の師匠の一人、太宰治。

国「遂にお前も高校生になるんだな・・・。」

貴「未だなるとは決まってませんから。てか、国木田さんは私の保護者ですか?」

太「もうそんなに成長したんだね～。」

貴「あんたもかい!」

「Aちゃんが受ける処ってそんなに難しいんですか?」

愛嬌のある感じで会話に参加してきたのが、最近来た新人、中島敦。

さて、此処で今私達が何の話をしているのか、先ずは始まりから説明するとしよう。

───此の話の発端はほんの二、三日前のことだった。

貴「私が学校に?」

「嗚呼、Aには何時も世話を焼いてもらっているからせめてものお礼と思ってだな。」

其の日は寮から出勤した途端に社長に呼び出された。

一体何だと思ったら社長の福沢さんが突然高校云ってきたのだった。

確か・・・雄英高校と云っていたような。

福「彼処は異能力とはまた違った力“個性"を持った人間が集まった高校だ。」

貴「嗚呼、今現在日本の人口の八割が持っているやつですか?」

私達と似てるようで違う人間。

福「お前の鍛錬にも役に立つだろうと思ってな。・・・・やってみるか?」

貴「折角の機会だから・・・行ってみたいと思います。」

福「そういうと思っていた。」

貴「でも、大丈夫なんですか?私中学校とかにも行ってませんよ。」

福「其処は大丈夫だ。話はつけておく。」

貴「流石社長ですね。じゃあ失礼します。」

───雄英高校か。

其処で強くなったらあの人に認めてもらえるのかな。

貴「・・・・・・・頑張るか。」

此れが私の人生を変えるきっかけ。