色は空 空は色

鸚緑 ページ35

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「そういえば…いつ見たんだろ。
でも、最近なような。少し前かも、何度が見た気もするし…曖昧なのに、今、すごく鮮明に思い出しました。」




驚いた顔が、少しだけ柔らかくなり

頬が緩んだ。

何かを思い出したのか

やっと夢と現実が繋がったような

困ったような笑顔が可愛らしくて

頬に深い笑窪が表れて

印象が、ガラッと変わった。





優しい笑顔で、私の手の甲を見つめる

そんなナムジュンさんを、たくさん撮る。




「あ、ちょっと今は、ちょっと…あ。」




写真撮影中なのに…なぜか嫌がり

顔を隠してしまうナムジュンさん




「え、今、撮影中ですよ？急に恥ずかしくなっちゃったんですか？」





「すみません、急に夢を思い出したら…変にニヤケちゃったんじゃないですか、俺、いまの顔ちょっと撮られるの嫌だったかも。」




素に近い表情だったのかな？

照れるって事は。

でも、そんなふとした表情がやっぱり魅力的なのかも。

はじめのびっくりした顔とか

急に緩んだところとか

ナムジュンさんの言うニヤケ顔とか

すごく素敵だった。





ぱっ、と手を離すと

急にお仕事モードな表情に変わってしまった。





「うーん……さっきみたいな自然な表情が良かったんですけど？急に変わりましたね？」





「あ、バレましたか？恥ずかしくなってしまったから、カメラ意識してしまいました。」





「力抜いてください、私たち 初めて会ったんじゃないし？ね。
夢で会った時はどんな気持ちだったんですか？」





なるべく自然な表情が欲しい。

リラックスして欲しい。

なのに、話しかけると余計に緊張しだした？

キョロキョロと目線が動く。

周りの人たちを見てるのかな

私にも目線が欲しいのに





「や、あの、夢の中では二人きりだったわけですし…もう少し夢っぽい夢で、って実際に夢であったわけで、えっと。」





ふふふ

いったい、夢の中のナムジュンさんは

どんな気持ちで、私と一緒にいたんだろう。





「あの夢では、あなたに傷を作ってしまったことにすごく反省してました。本当に！」






そっか、そうだったな。

恥ずかしがり屋であわてんぼう

そして、心配症な感じが

夢の中とは変わらないナムジュンさん。





私の手の甲の傷を心配する顔も良かったよな。

なんか、心配して欲しい

笑顔もいいんだけど…






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