アバンティーズとほんわかライフ。

カレシ ページ13

「口にちゅーしたのかな」
「そりゃー…しただろ。こんな写真ツイッターにあげてるんだし」
「この男が初めて付き合った男なのかな」
「さあなあ、何も言ってくれてないしなあ」
「……どこまでやったのかなあ」
「……エイジもうやめてー！」

なんで落ち込むのかわからないって言ったけど、本当はわかってる。ヤキモチだ。嫉妬ほど憎々しくない。ただ、相談してくれても良いだろ、とかこいつより俺のがかっこいいのに、とか俺達のA、とかそういうアホみたいな変な仲間意識のようなもの。Aってキスとか変な行為とか知りませんよみたいな顔してるけどそうだよな、知らないわけねえんだ。や、いやだな。Aの顔もう見られねえよ、俺らとどんなに距離近くても間接キスしても動じないくせに、彼氏に抱きつかれたくらいでこんな女の子女の子した顔して笑うの？知りたくなかったよ。

「エイちゃんいつ起きたのー！？急に消えたからびっくりし…えっ？何この空気」

うわあ。Aが最悪なタイミングで部屋に入ってきやがった。リッくんは咄嗟に表情を作って何でもない！とか言ったけどあっばかそんなふうに手前にだしたらスマホ見えちゃうじゃん。

「あ。その写真！」

まずい！部屋の空気が凍る。えいちゃんがぴくっとうごいた。

「このこ！かっこよくない？」
「う…うん…」
「このこね、男装してるの！」
「うん？」
「私のね、大学で一番仲いい友達なんだけど、文化祭のときに男装してくれてね」

Aが楽しそうに友達のことを話してくれる。俺の頭にはしばらくはてなが浮かんでいたけれど、それが消えた頃にはさっきまでもやもやしていた気持ちもさっと消えていた。

「う〜んよく考えたらAに彼氏いるわけないんだよな」
「えっえいちゃんに突然悪口言われた」
「なんだぁキスとかしたことないのかあ」
「なになに何なんの話してるの！？」
「もうくっついたりしたら浮気ってなってだめかと思った！！」
「まってみっくん、え、浮気？ねえなんのお話？」
「お前！！好きな男できたらゼッテー相談しろよ！？しなかったらマジで、あれだかんな落ち込むからな！？」
「そらが落ち込むの！？意味不明だね！？」

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