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パパが私を殺すとすれば、どんな方法で殺すだろうか。
銃殺? 斬首? 絞首? 銃殺はやだなぁ、絶対に痛いじゃん。絞首ならまぁ許せる。そっちの方がいい気もする。斬首なんてもっと無理。だったら薬殺? パパにそこまでの知識があるだろうか。まぁ医者くらいなら余裕で雇えるほどの金くらいならあるけども。
はたまた撲殺か。果たしてパパにそれ程の力があるだろうか。そもそも気弱なあの人が私を殺すまでに至った心情を教えて欲しい。私が魔法の扱いがうまいという恐怖からか? 自分が殺されるとでも思ったのだろうか? まさかそんな猟奇的な考えはないよね。いや、殺すという思考に至る程だからもうアウトなのか? 誰かに脅されて? んじゃあ黒幕は誰だ。うーん、でもパパ正義感だけはあるし脅されたとしてそんなことをするとは思えないんだよなぁ。
でも殺されるとしたら痛くないのがいいな。苦しくないのがいいな。理由? いや、そっちの方がいいからだけど。スっとそのまま殺してくれないかな。
事故死を企んでいたり? パパ、そこまで考えられるかな、勉強も得意じゃないし力もないし。ノコギリで頭部と胴体を切断なんて出切っこないしね。……想像しちゃったよ怖いなぁ。
私はその疑問だけで
担任紹介なんていうつまらないものは聞かないし、クラス分けの紙に仲のいい人間がいるかどうかなんて確認しない(そもそも友達と呼べる人間なんていないしね)。どうせクラスは前と同じD組でしょ。
一般的に言えば自分が「変わり者」に分類されてしまうことは分かっているつもりだ。だがしかし「普通」になろうとは思わない。いや、自分の中でこれが「普通」ではあるので、その理屈で言えば周りが「異常」なのだ。「異常」だからといって関わろうとしない訳では無いのだがこんな「落ちこぼれ」に話しかけてくれる奴がいるかと問えばノーであることは間違いないはず。
とかそんなことを考えているうちに始業式は終わっていたようで。いやぁ、時間が経つのは早いですなぁ、まじで。
いつまで経っても動かない私を心配してか一人の女子生徒が話しかけてくれていた。私はその心配そうな声を思いっきり無視して立ち上がる。教室へと向かった。勿論悪いのは私でありその子ではないのだが。
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