21 モフモフの動物2 ページ23
シャーチのその言葉を最後に、その腹を空かせウサギを狙っていたチーターは咆哮を上げ、逃げた３人を追いかけた。
ヴァレンス
｢普通におかしいですよねアレ！？｣
シャーチ
｢おかしいが、そんなもんなんだろ｣
ヴァレンス
｢俺は貴女のその状況判断力の高さ、いつも羨ましく思いますよ｣
シャーチ
｢お前もそれなりに切り替え早いだろ｣
チーターに追いかけられながら悠長にそんな会話をするシャーチとヴァレンス。
よく見るチーターより速いが、それに追い付かれていない２人が凄い。
そんな時、ヴァレンスが真ん中にいたある人物がいない事に気付く
ヴァレンス
｢あれ！？ローナさんは！？｣
シャーチ
｢ローナさん……あ、あそこ…｣
シャーチが後ろを向き指差した場所は…
ローナ
｢超絶モフモフしてる〜♪｣
チーターの尻尾に捕まっていた
ヴァレンス
｢尻尾はダメでしょうローナさん！！？｣
シャーチ
｢おいおいツッコむところはそこじゃ無いだろう…｣
ヴァレンス
｢あ、ローナさん貴女馬鹿ですか！！？｣
ローナ
｢君たちもおいでよ〜♪モフモフで気持ちいいよ〜♪｣
ローナがこれ以上ない程の笑顔で至福の時を堪能していた瞬間、シャーチ達に向かい飛んだチーターの反動でローナが尻尾から振り離された
ヴァレンス
｢あ、やば…｣
シャーチ
｢…ヴァレンス、行ってこい｣
ヴァレンス
｢エ゛…ッ｣
上に飛ばされたローナは｢あああああ〜！｣と声を上げながら落ちていた。焦るべき状況であろうに、彼女からは余裕を感じる。
だからシャーチは極めて冷静に頭の中でやる事を決め、隣にいたヴァレンスを蹴飛ばし、ローナを受け止めさせた。
ヴァレンス
｢…だ…大丈夫でしたかっ？｣
ローナ
｢ありがとう！ミールくん♪助かったよ！｣
ヴァレンス
｢…子供扱いはやめてください｣
ローナを受け止めたヴァレンスはそのまま樹の上に降り立った。
ローナに頭を撫でられ、ヴァレンスは少し頬を赤らめたが、その手を振り払いはしない
ローナを樹の上に座らせ、ヴァレンスはチーターに追われ続けているシャーチを見た。
ヴァレンス
｢隊長！｣
シャーチ
｢二手に別れる！お前はローナさんと動け！｣
シャーチはそう言い、森の奥へと走り去って行った。
その場に残されたヴァレンスとローナは樹から降りた。
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作者名：闇呼び＆月姫州 x他1人 | 作成日時：2019年4月12日 23時
