第21話 ページ21
貴女side
貴女「中、也さん、…？」
中原「………」
私の目は彼を移し、鼻は甘い匂いを捉えている
私はまだ生きている…
そして
優しく頬に添えられた
中也さんの大きな手
貴女「…中也さん、？」
中原「…………
……………………逃げろ…つったろ、」
貴女「中也さんっ！」
崩れる彼の体を受け止めゆっくりしゃがむ
貴女「中也さんっ」
中原「…………たく…手前は…」
貴女「どうして…」
全身が痛むのか苦しそうな表情だが
中也さん自身の顔だ…
汚濁が解けている…
中原「………忘れたのか…
手前は異能力無効化の…異能力者だろ……」
貴女「まさか…斜陽が…」
また無自覚で発動していた異能に言葉がつまる
中原「やってくれたなァ…」
貴女「あ……」
痛むはずの体をゆっくり動かし
中也さんは私の頭を撫でてくれた
貴女「……私が異能を使うと思って…汚濁を？
汚濁状態なら私に殺意を向けられるから…」
中原「いや…。確かに汚濁状態の俺になら斜陽は発動するかもしれねェと思ったが…
発動するかしないか分からない手前が汚濁に近づくには…リスクが高すぎる…
自我がなかろうが…手前を傷つけることだけはしたくなかった…」
貴女「…本当に…自分の命を引き換えに…」
中原「だがまァ…よく俺に触れられたな…」
貴女「え………」
私が触れたんじゃなくあなたが私に触れた…
無自覚だったのだろうか…
中原「重力操作……」
貴女「…中也さん、」
もう限界のはずなのに赤いモヤが彼を覆う
中原「…すまねェが…もう身体が動かねェ…
重力で手前が持てる程度には軽い…。
俺を…本部に、…＿＿＿＿＿」
貴女「…………はい。」
涙を堪え
綿のように軽い彼を抱きしめる
貴女「…もう………こんな思いは…したくない…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リムル=テンペスト - とても面白いですね 僕もこんなふうに才能あったらなぁ (3月22日 20時) (
レス) @page9 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
高杉りた(プロフ) - 狐の鈴さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！モチベ上がります頑張ります！！！ (12月29日 13時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
狐の鈴 - お話がとても面白いです!!これからも体調に気を付けて更新頑張って下さい！ (12月29日 2時) (レス) id: 194b92769c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：高杉りた | 作成日時：2023年12月27日 18時
