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第16話 ページ16

貴女side






貴女「だめ、ですか…?」



中原「ダメっつぅか、太宰家の嬢がそれをご所望か?」



貴女「…はい…今朝のご飯が…美味しくて、」




確かに家は上流階級で質のいい食事だった


だけど…




貴女「…手伝うので、お願いします…」



中原「別に構わねェが…

俺ァ幹部で金はあるぞ。それでもか?」



貴女「はい」



中原「…変なやつだな」





よかった。


料理はあまり自信ないけれど…





中原「…その前に…、ほら、こっち来い」


貴女「え…」





真隣をポンポンと叩く中也さん




貴女「…なんですか」



中原「首。」



貴女「首?」





すると顎をクイとあげられ



薬品の匂いが鼻を突く





中原「…浅くてよかったぜ」



貴女「…ありがとう、ございます」




優しい手つきで手当をしてくれるその手はとてもマフィアのものとは思えない




中原「もうあんな無茶すんじゃねェぞ」


貴女「…はい」


中原「うし、これで大丈夫だ」


貴女「…」




立ち上がりベストなどを脱ぎ始めた中也さんを見上げていると再び目が合った





中原「んだよ」


貴女「…いえ」


中原「飯、作るんだろ?手前も脱げ」


貴女「はい」




ワイシャツだけになり腕をまくる中也さんをみて私も袖を折った




中原「なにすんだ」


貴女「得意は…」


中原「なんでも出来るぜ」


貴女「じゃあ…オムライス…」


中原「こりゃまた簡易的なものを…」




小さなため息をつき


眉を八の字にして笑う中也さん




貴女「料理はあまり得意ではないので…


オムライスから教えてください…」



中原「覚えたら、手前が1から作ったもん食わせてくれるか」



貴女「もちろんです、」




俄然やる気が湧いてきた




貴女「……あ」


中原「なんだ?」




しかし髪を結ぶ中也さんの姿に見とれてしまう




貴女「………」



中原「ん?」




長い髪を結んだ中也さんはやはり女性のように綺麗だ



長いまつ毛に艷めく唇、通った鼻筋…




中原「野菜、切れるか?」

貴女「はい」


中原「っておい!なんだそのやり方!危ねェなっ」

貴女「え」




中原「卵割ってくれ」

貴女「はい」


中原「殻入ってんじゃねェか!」




中原「炒めるくらいできるだろ」

貴女「はい」


中原「焦げてる焦げてる!」

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設定タグ:文スト , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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リムル=テンペスト - とても面白いですね 僕もこんなふうに才能あったらなぁ (3月22日 20時) (レス) @page9 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
高杉りた(プロフ) - 狐の鈴さん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです!モチベ上がります頑張ります!!! (12月29日 13時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
狐の鈴 - お話がとても面白いです!!これからも体調に気を付けて更新頑張って下さい! (12月29日 2時) (レス) id: 194b92769c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高杉りた | 作成日時:2023年12月27日 18時

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