【◇】片想い… (ページ23)

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A side

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琢磨「久しぶり」

『……………』

バッチリ目が合ってしまい、歩いてた足が止まった

琢磨「一昨日、学校の前で待ってたんだけど、なかなか出てこなかったから」

『……………』

今すぐ逃げ出したくて

でも、逃げちゃダメなんだって気持ちもあって

やっとの思いで、口から出た言葉は

『ごめん、急いでるから』

一歩踏み出して、琢磨の前を通り過ぎようとしたら、手を掴まれた

琢磨「どうしても話したい」

『……………』

琢磨「お願い」

『………わかった』

掴まれた手を離してもらい、すぐ近くの公園へ向かった

琢磨が前を歩いて、私が少し後ろを歩く

公園には学校帰りの小学生や、小さい子どもがいたり、程よく賑やかだった

琢磨がベンチに座り、少し離れて座る

琢磨「去年、わざわざスペインまで来てくれたのに、ひどいこと言ってごめん」

『……………』

琢磨「許してくれなんて言わない、俺がどうかしてた」

『……………』

琢磨「慣れない土地で、慣れない言葉で、慣れない文化で…不安だったし、なかなか上手くいかなかった」

『……………』

琢磨「AとのLINEとか電話が唯一の楽しみだったのに、そこまで気が回らなくなって…そんなときに、Aに新しい彼氏が出来たって聞いて…」

『……………誰に？』

琢磨「同じクラスだった藤堂」

あー、藤堂さんか…

お金持ちのお嬢様で、高飛車な感じで、何となく気の合わない人

琢磨「向こうの生活に慣れた頃に、他のヤツに聞いたら、俺がいなくなってからAがいっぱい告られて、全部断ってたって…二学期から学校に来てないって聞いて…」

『……………』

琢磨「俺バカだわ、藤堂の言葉信じて、Aの言葉信じてやれなかった」

『……………』

琢磨「ホント…ごめん、ひどいこと言った」

『……………』

素直に「いいよ」なんて言えない

琢磨「留年…したんだろ？」

『……………』

琢磨「俺のせいだな…」

『……………』

ホントだよ！って思ったけど、もういいや

フラれた原因もわかったし、私もちょっとスッキリした