しんしょく

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しんしょくページ9

前の登り竜刀(名前が分からない)とはまた違って美しい刀。

特徴と言えばこのしましまか？

腹ペコになる頃手入れが終わり襖を開けようとすると、カタンとまた何かが置かれる音が響く。

するすると襖を開ければ今度はおにぎりと卵焼きが一緒に乗った皿があった。

ご丁寧に手拭きまであり至れり尽くせりだ。

さっき綺麗にした刀をぽんと箱に放り込むと、報酬であるおにぎりと卵焼きを遠慮なく頂いた。

「くぅぅぅ、やっぱり美味しいなぁ！」

縁側から眺める夕暮れはおにぎりをより美味しくしてくれ、卵焼きも口に放り込めば甘くて優しい味が口一杯に広がった。

こんなに美味しい卵焼き、何時ぶりかなぁ。

「あー幸せ。でも家に帰りたいなぁ。」

じゃり。

庭から踏み締めるような音。

サッと視線を送るが誰もいない。

そして食べ終わる頃には綺麗に磨いた刀がどこかに消えていた。

私だけ神様が視えないと言う孤独感。

視えない人の方が絶対多い筈なのに、ここでは視えるのが当たり前になってしまっているから酷くもの悲しい。

「やっぱり帰りたいなぁ。」

(僕の姿が見えたら君の孤独も無くなるのかなぁ。)

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