キールに沈んで (ページ42)

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顔合わせを終えて花梨とご飯食べて
すごく楽しくてホクホクで帰ってきて
それでもまだ来ない連絡

『いーや、お風呂入ろ』

湯船にお湯を溜めながら考えるのは彼のこと

忙しいのかもしれないし
なんなら私から連絡してみればいい

もうすぐ溜まる湯船を確認して
寝室に脱ぎ捨てたパジャマを取りに行く

チカチカと通知を知らせるスマホ
連絡は諒くんからの業務連絡と
花梨からの今日はありがとうのメッセージ

宏光からは連絡無し

Aお疲れ様
まだお仕事かな?
私はお風呂入って寝ます
おやすみなさい

そうメッセージだけ送ってソファにスマホを投げ捨てる

バッサバッサと乱雑に服を脱ぎ
洗濯機の中へ

シャワーがちょっと熱くて
イラッとしたけれど
新しく買ったシャンプーがいい感じで
ちょっとだけハッピー

髪の毛をひとつにまとめて湯船に浸かる

明日朝起きたらおはようって
メッセージ来てないかな
もし来てなかったら私から送ってもいいかな

目を瞑ってぼーっとしていると
彼とのキスを思い出してなんだかむず痒い

『そろそろ出ようかな…』

その前にもう一度目をつぶって
心を落ち着かせる

「お！ギリギリセーフ？」

『！？』

突然ガラリと扉が開いて振り向くと
膝まで脱いだジーンズと格闘する彼

『な、何してるの？』

「お前が風呂入るって言うから急いで来たんだよ」

『私もう出るけど…』

「あ？少しくらい付き合え」

『は！？ちょ、なんで入ってくる！？』

前を隠すことなくズンズンと入ってくる彼に
どうしていいか分からず
ただ視線を泳がす