キールに沈んで (ページ41)

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その場で連絡先を交換して
2人並んで戻る

両思いだけど付き合ってない
不思議な距離感だけど
それはそれで心地よかった

「あ、Aちゃ～ん。野暮用終わった～？」

『うん！終わった』

「よし！じゃあ行こうか！顔合わせ遅刻しそうだよ」

『え、ほんと？早く行こ諒くん』

時計を確認すると割とヤバめな時間
無表情な彼と、ニコニコな藤ヶ谷さんと
ため息をついてる今野さんに手を振って
そそくさと車に乗り込む

『諒くんごめんね、顔合わせ間に合うかな？』

「まあ大丈夫でしょ。ギリギリかもだけど」

『帰りに花梨とご飯食べたいけど、予定空いてるかな？』

「あー、空いてるんじゃない？」

花梨に「顔合わせ終わり次第ご飯どう？」とメッセージを送っていると
ピコンと通知

北山宏光またメシでもいこーな

と、一言
そんな一言だけでニヤニヤが止まらない

A今度は焼肉じゃなくて可愛いところがいい
北山宏光甘いのは無理だぞ
俺食えない
Aえー残念
北山宏光また夜連絡するわ
Aうん
待ってる
北山宏光ほい

「付き合いましょう」の約束は無いけど
幸せだなって思ったんだ