キールに沈んで (ページ36)

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「Aの彼氏だってアイドルじゃん？」

『へ？』

「へ？って藤ヶ谷さんでしょ？」

『あ、いや…』

「って噂をすれば藤ヶ谷さんじゃん！きゃー」

『ちょ、静かに』

カフェテリアに来たのは藤ヶ谷さんと北山さん

手にタバコを持ってるから喫煙所の帰りかな？

「話しかけないの？」

『かけなくていいよ』

「じゃあ私が話しかけてもいい？」

『かけなくていい！』

少しだけトーンを下げて2人でヒソヒソ

隅っこに座っている私たちには気付く様子も無く
入口付近のベンチに座る

私たちは何故か息を潜めて
彼らの会話を盗み聞き

「最近どーよ」

「どーよってなんだよ」

「ガールちゃん」

「北山はそういうの興味無いと思ってた」

「シンメの恋愛話に興味ねぇわけねぇだろ」

「しょっちゅう家行ってたら、
通い愛なんて記事出たらどうするんですか！って言って家行くの禁止令出た。
チェーンをきちんとかける子だから勝手に行くと中入れないんだよ。
ホワイトデーはさすがに行くけど」

「なはは！尻にしかれてんなぁ」

「今俺たち少し落ち着いただろ？
んで数ヶ月したらさ、またバタバタして会えなくなるのかもって考えたら今のうちにって思っちゃうんだよな。」

「あー、俺のせいだよな」

「ははっ、そうかもな。
でも北山が信じる道を俺も信じたいって思ってるから、」

「ありがとう」

2人の会話からわかったこと

藤ヶ谷と例の彼女さん上手くいったこと
これは本当によかった

あと、北山さんが何か大きな決断をしようとしていること