キールに沈んで (ページ32)

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あーなんて幸せなんだろう
お互いに触れ合う肌が気持ちいい

「てかなんでさっき鶴瓶さん出てきたんだよ」

『ん？明日共演するから』

「バラエティ？」

『うん、○Studio』

「は？それ藤ヶ谷もいるじゃん」

『あ、ううん。私スタジオゲストじゃないから、会うの鶴瓶さんだけ』

「ふーん」

『あ、ヤキモチ？』

「うるせ」

『ねー』

顔を背ける彼にうりゃうりゃと絡むと
私の首に腕を回してヘッドロックをかけてきて
密着したまま少しだけ落ち着く

ずっとこうして居たいけど
さすがにシャワー浴びないとマズイ

『シャワー浴びてくる』

「俺も一緒に行こうかな」

『絶対嫌』

「もう全部見てるのに？」

『そういう問題じゃないもん』

ぶーぶー言う彼を無視して
手近に落ちていた彼のトレーナーを着て立ち上がる

「うわ、彼シャツえっろ……冗談だって、睨むなよ」

寝室を出て脱衣場に行く
一気に体の力が抜けて座り込む

好きって言われちゃった

『んふふ』

両思いってことでしょ？
嬉しい

トレーナーをバッ脱いでシャワーを浴びる

その間も笑みは止まらない

私、彼女って事でいいかな？
お付き合いって事でいいかな？

彼氏？恋人
なにそれ最高の響きすぎる！

興奮して目を開けたら流れてきたシャンプーが目に入って痛かったけど

それよりもすごくすごく幸せで
今なら空を飛べるって本気で思った