キールに沈んで (ページ3)

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「Aちゃん
もうすぐバレンタイだけど今年も頑張るの？」

『どういうこと？』

マネージャーと2人、車の中

「また大量に作るのかなーって」

『うん。スタッフさん達にはいつもお世話になってるからね』

「本当凄いよ」

『こういう時くらい女子力アピールしなきゃ』

「あはは！確かに」

『いつも女子力高いよって言いなさいよ』

バレンタインまであと数日
ここ最近割と忙しいけど
作らない選択肢はない

でも、大量生産ができるクッキーにしよう
アイスボックスクッキーなら簡単だし

『その前後日に会うスタッフさんと出演者さん、男女関わらずまとめといて』

「分かったよ」

「諒くんには奥さんと娘ちゃんの分も渡すね』

「毎年ありがとう。2人とも喜ぶよ」

あー、あの人にも渡したかったなあ
なんて今更思わないけど
忘れられなかった彼女と上手く行っていれば
いいなってそんな風に思ったんだ

バレンタインイチャイチャして過ごすのかな…

羨まし。。。

『今日のバラエティー収録たのしみだなー』

独り身で寂しい気持ちを紛らわすように
そう呟いた