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思わず黙りこくってしまった私を見かねて
マネージャーが彼に話しかける
「急に申し訳ございません。
橘のマネージャーの佐伯と申します。
北山さんと…どなたかマネージャーさんはいらっしゃいますか？」
「北山なら今少し外してて、
あ、でもすぐ戻ってくると思います。
マネージャーは今野で良ければ」
「あぁ、今野さんがいらっしゃるのなら助かります」
「少しお待ちください。……ねぇ、こんちゃん、佐伯さんが…」
そんな2人の会話をどこか遠くで聞いてて
ふと視線を向けた先に北山さんを見つける
『北山さん』
表情はどこか神妙で
なんだかいつもの北山さんじゃないみたい
「どったの橘ちゃん」
『あ、先週のことで…』
「すみません、佐伯さん！お待たせしました。
お、北山戻ってたのか」
「まぁね」
「ちょうど良い。お前も来い」
「北山さんもすみません、突然押しかけて」
「いえ、気にせず〜」
北山さんの顔を見て少しだけホッとしたのに
北山さんが全然私を見てくなくて寂しい
案内したのはちょっとした小部屋
テーブルを挟んでソファに向き合って座った
「この度は本当にありがとうございました」
『ありがとうございました』
「本来であれば直ぐにお礼に向かうべきだったのに中々来れず申し訳ございません」
『申し訳ございませんでした』
マネージャーと2人で頭を下げる。
「2人とも頭上げてください。
何度も事務所にアポ取りに来てくださってるのは知ってますから。
予定が合わなかったのはお互い忙しい証拠なんですし、ね？」
「お心遣い感謝致します」
「橘さんはもう大丈夫なんですか？」
『え？あ、はい元気です』
「そうじゃなくて、心の方とか…」
『あー、また会ったら一発ぶん殴りたいとは思ってますが…
まあ、北山さんが助けてくれたので』
そう伝えると目を丸くする今野さん
「そ、うですか…。橘さんってそういう冗談言う方なんですね」
『？』
「あ、いや、以前のイメージと違ったので」
「まあ、あの頃はかなり無理してましたからね」
『諒くん変なこと言わなくていいの』
今野さんって、いつも怖い顔して私と藤ヶ谷さんの関係をよく思ってませんアピールしてて
ちょっと苦手だったけど
私のことを心配してくれていたのが伝わって
ちょっとだけイメージアップ
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年9月17日 0時
