番外編【#4】 ページ12
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A「イルカだー!」
連れてきたのは、水族館。
あの時、Aが熱出して一緒に行けなかったから。
高校2年にもなって、ここまではしゃいでくれるとは
流石に思ってなかったが、まあ、楽しそうでなにより。
俺がトイレから戻ってくると、Aがお土産のコーナーで、
アザラシのぬいぐるみをずっともふもふしていた。
A「もふもふ…」
黒尾「なに、ほしいの?」
Aの後ろから顔を覗かせると、
A「ぴゃっ」
と独特な驚き方をした。
A「い、いやっ、ほしいっていうか…気持ちいいなーって!
おもってただけで!もふもふもふもふ!」
私もトイレ行ってくる!とその場を駆け出した。
黒尾「…わかりやすっ」
きっとほしいんだろーけど、高2にもなって
ぬいぐるみ欲しがってるのが恥ずかしいんだろう。
でも、
ここで買ってあげたら、どんな顔するかなって
そんなこと考えてしまう俺は、
多分Aにめちゃくちゃ甘いんだろうな。
A「鉄ちゃんおまたせ…って、え」
黒尾「ほしいんだろ?」
トイレから戻ってきたAの顔の前に、
ずいっとアザラシのぬいぐるみを差し出した。
A「万引き…?」
黒尾「ちがいますぅー!ちゃんと買いましたから!」
A「いいの…?」
頷くと、Aはおずおずとアザラシを受け取って、
思いっきり抱きしめた。
A「はぁ〜もふもふもふ」
幸せそうな顔で、ぬいぐるみにもふもふ顔を押し付けるA。
A「鉄ちゃん!ありがとっ!
よし、じゃあお前の名前は今日からコテツだ!」
さりげなく、俺の名前からつけたことが分かって
嬉しくなる。
______…あー、そうそう。
この顔が、見たかったんだ。
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作者名:カカシ | 作成日時:2019年11月15日 15時