検索窓
今日:29 hit、昨日:10 hit、合計:153,919 hit

番外編【#4】 ページ12

______

A「イルカだー!」


連れてきたのは、水族館。

あの時、Aが熱出して一緒に行けなかったから。


高校2年にもなって、ここまではしゃいでくれるとは

流石に思ってなかったが、まあ、楽しそうでなにより。


俺がトイレから戻ってくると、Aがお土産のコーナーで、

アザラシのぬいぐるみをずっともふもふしていた。


A「もふもふ…」

黒尾「なに、ほしいの?」


Aの後ろから顔を覗かせると、


A「ぴゃっ」


と独特な驚き方をした。


A「い、いやっ、ほしいっていうか…気持ちいいなーって!

  おもってただけで!もふもふもふもふ!」



私もトイレ行ってくる!とその場を駆け出した。




黒尾「…わかりやすっ」



きっとほしいんだろーけど、高2にもなって

ぬいぐるみ欲しがってるのが恥ずかしいんだろう。




でも、




ここで買ってあげたら、どんな顔するかなって





そんなこと考えてしまう俺は、

多分Aにめちゃくちゃ甘いんだろうな。






A「鉄ちゃんおまたせ…って、え」

黒尾「ほしいんだろ?」


トイレから戻ってきたAの顔の前に、

ずいっとアザラシのぬいぐるみを差し出した。


A「万引き…?」

黒尾「ちがいますぅー!ちゃんと買いましたから!」



A「いいの…?」



頷くと、Aはおずおずとアザラシを受け取って、

思いっきり抱きしめた。




A「はぁ〜もふもふもふ」



幸せそうな顔で、ぬいぐるみにもふもふ顔を押し付けるA。




A「鉄ちゃん!ありがとっ!

  よし、じゃあお前の名前は今日からコテツだ!」




さりげなく、俺の名前からつけたことが分かって

嬉しくなる。




______…あー、そうそう。




この顔が、見たかったんだ。

番外編【#5】→←番外編【#3】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (95 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
255人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カカシ | 作成日時:2019年11月15日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。