50.知り合い ページ16
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「あ、Aさん」
大学のカフェテラスでいつも通り孝支と駄弁っていると、
肩を叩かれ、振り向いた先には英くん。
そういや大学一緒だったわ、
学部違うし、あんまりにも会わないから忘れてた。
「あれ?君…青城の…?」
「!あ、烏野のセッター…!」
『え、何知り合いだったの?』
隣いいですか、と座った英くんと、
向かいに座っている孝支が顔を見合わせて揃って目を丸くした。
「あー!じゃあAがずっと言ってたはな」
『待って、アンタ何言う気』
白布くんは話の分かる良い子だが、
菅原孝支、コイツは違う気がする。
今だって絶対「君を想って鼻血垂れ流す系女子」的な事を
言おうとしていたはずだ。
最悪だ、そういや孝支もバレー部だったし、
全国行ったって言ってたし、
青葉城西も強豪だったって言うし、
英くんと孝支に接点くらいあってもおかしくなかった。
あれ?じゃあ白布くんとも孝支って会ったことあるんじゃね?
学年違うし覚えてるかどうかは別として。
うわぁ、東北の狭さ舐めてたァ。
「はな?」
『英くん何でもないからね、何にも関係ないからね』
英くんがコテンッと首を傾げる姿が可愛い、これ大好き
孝支がニヤニヤと私の方を見ている、
コレはいよいよ危険信号だ、絶対によからぬことを考えている
初めて会った時面倒見良さそうで、優しそうで爽やかな人、
とかいうイメージを持っていた私に教えてやりたい。
話を聞いている限り、
坊主頭をショリショリされているタナカって子と
同等の扱いを受けている気がする。
『お願い、今度何か奢るから黙ってて』
耳元に口を寄せてそう訴えると、孝支はニヤニヤしたまま、
「○○駅前の四川風麻婆豆腐半年券」
『ふぐ…っ、き、汚いぞ…奢れないこともないけど
金銭的ダメージを食らう絶妙なラインをついてきやがって…』
孝支は腰に手を当ててのけ反って笑いこけた。しばきたい。
身を乗り出して孝支と耳打ちでヒソヒソやっていると、
『!』
英くんがテーブルの下でくいっ、とスカートの裾を引っ張った。
「……近い」
ムスッとした顔と声に、
佐倉は麻婆豆腐を1年間奢ることを心に決めた。
あの可愛さを守るなら麻婆豆腐なんて安いモンよ
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Kuro ken(プロフ) - ニヤけすぎて表情筋がヒジョーに痛いw (2020年5月6日 14時) (レス) id: 43e95bf2f0 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - ルイちゃんさん» ありがとうございますぅうう!まさかそんなこと言っていただけるなんて、、!感極まって涙出そう、、!( ; ; )ありがとうございました! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - Decemberさん» えええ嬉しいですコメントありがとうございます!!こちらこそ素敵なこと言ってくださるDecemberさんがいて本当に嬉しいです、、!( ; ; ) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 嬉しいですコメントありがとうございます!!国見ちゃんわっしょいは不滅です(笑) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 瑞稀さん» 生きがいだなんて、、!嬉しいですありがとうございました!!白布くんも頑張りますので是非見てくださいぃい!! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カカシ | 作成日時:2020年3月26日 14時