英くんが今日も可愛い【国見英】

30.かわいい ページ31

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ぷしゅっと音を立てて、
自分の顔にどんどん熱が集まっていくのが分かる。


心臓が煩い、痛い。




「せんせー顔真っ赤」

『…見ないで』




英くんが空いている手で私の髪を耳にかけた。


細くて長い指が頰を掠めて、
こそばゆくて肩が飛び上がった。



あぁ、お願いそんな目で私を見ないで。

そんな熱っぽい目で見ないでよ。



やばい、絆される。





「佐倉先生」

『も…なに…』

「…すき」




指に、英くんが指を絡めてきた。

大きな手に包まれて、
さっきまで寝ていたからか、温かい体温が伝わった。



英くんの、さっきから自信ありげな行為。

あぁ、クソ、何か分かんないけど悔しい。



彼はもう気付いてる。



…年下なのに、こんなに可愛い人なのに。

どうして私はこんなに振り回されてるの。



「ねぇ、返事してよ」



あぁ、クソ、クソ、悔しい。

分かってる、分かってんのよ。



最初は違かったの。

推しで、弟で、元生徒で。



だけどあの日、英くんが私にあんなこと言ったから。




______……私だって、




『…私なんかで、いいの』

「さっき言った。俺は先生がいい」




するりと手が離されて、英くんは頬杖をついた。




『……き……』

「んー？」



何その言い方、可愛いんだよちくしょう。

こんな時まで可愛さ発揮しなくていいんだってば。



『すき……』

「何でそんな不服そうなんだよ」

『だって何か悔しい！』



英くんは、ふはって笑って、片手で私の前髪をかき上げた。

ちう、と額に吸い付けると、「帰るぞ」と立ち上がった。





『〜〜〜〜〜〜っ‼』







まって…もう……何か無理。







英くんが、今日も可愛い







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