【黒尾鉄朗】これを愛と呼ぶなら。#9

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赤葦とパンケーキ食べてくる、と

昼にLINEがあって、


少々の嫉妬を抱えたまま、

飲み会へ向かった。



「黒尾ー、彼女の写真見せろよ！」

黒尾「あー？」



酒も進んできて、ベロベロになった友達がそう言った。


友人会の間では、

俺の彼女が爆発的にかわいい、と周知されており、


こうやって飲み会を開くたびに、

写真を見せてくれ、と要求される。


携帯のカメラロールを遡るが、

最近、あまり写真を撮っていないことに気づいた。



黒尾「…最近のねーわ」



友達に、んだよーと机の下で足を蹴られた。






______…A、ちゃんと家帰ったかな






帰宅したのは深夜1時だった。


ほろ酔った足と頭で玄関の扉をあける。



黒尾「…ただーいまー…」



当たり前だが返事はなく、

電気のついていない寝室をあけた。



黒尾「Aー」



布団をめくると、



黒尾「…え」



Aが上下俺の服を着て、

アザラシのぬいぐるみを抱いてすやすやと寝息を立てている。









______…えー、なんで俺の服、









…寂しかったから？









______…だとしたら可愛すぎねぇ？






赤くなっているであろう顔を隠してAの頭を撫でると、

もぞもぞと動いて、うっすらと目を開けた。



A「…おかえり…」

黒尾「ん、ただいま」


その小さい唇におもむろにキスをすると、


A「おさけくさいー…」


ぷい、と顔を背けられた。





______…それが、あまりにも可愛くて。





急いで風呂に入って、髪を乾かして、


黒尾「お前はコッチ」


Aの手からアザラシを取り上げて、


再びすやすやと寝息を立てるAを抱きしめて

眠りについた。

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