【黒尾鉄朗】これを愛と呼ぶなら。#9

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黒尾「…寝たか」



すーすー、と気持ちよさそうな寝息を立てて、

膝で眠るAの頭を撫でる。



熱で紅潮した頬が

朝見た時より随分血色がよくなっていて安心した。



朝起きて、コーヒーをいれて、

Aが起きてきて「頭いたい」って言うから


振り向けば。



紅潮している頬とは対照的に、

真っ青な顔でふらふらと立っていたから本当に焦った。


額で熱を測ると、

明らかに俺の額より熱が高く。


ベッドに押し戻して熱を測らせると【39.2℃】だった。



一緒に暮らし始めて3年目。


Aは熱を出したことがなく、至って健康。


むしろ熱を出すのは俺の方で、

毎回世話をされていた。



元々一人暮らしの経験があるからか、

本当に、しっかりしている奴だと思う。



今日俺は大学が休みだったから、

逆に1日面倒見てやろう、と心が浮き足立った。


面倒を見出すと、されるがままで

しばしば甘えてくるAが可愛くて仕方なかった。





黒尾「よ、っと」






Aを抱いて、寝室のベッドに寝かせた。


布団をかけてやると、もぞもぞ動いて布団にくるまった。


頭を撫でると、きゅ、とTシャツが握られて。



黒尾「…かーわいー…」



うつるとまずいから、

今日はリビングで寝ようかと思っていたけど、





______…お前のせいだから、






黒尾「…おやすみ、A」





同じ布団に入って、Aを抱きしめて眠りについた。

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