【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#9

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あのあと、カラオケに行って、


Aは散々歌って、フリードリンクでついている酒を

浴びるように飲んでいて。


安い酒だったことや、食欲ないからって空きっ腹に

酒を入れていたのが悪かったのだろう。




で、今。





A「ぅあー…気持っち悪い…」





コイツは盛大に酔った。




白布「真っ直ぐ歩けって」




真っ直ぐ立って歩けないAの腕を、

肩に回して家まで送り届ける。



A「けんじろー…おんぶ…」

白布「捨てるぞお前」



軽いから辛くはないんだけど、

3歩踏み出したら左に逸れていくのが面倒くさい。


マンションについて、


白布「何階だっけ？」

A「701…」


7階までエレベーターで上がる。



白布「鍵は？」

A「鞄の前ポッケ…」



それなら出せよ、と悪態をつきながら、

渡された鞄から鍵を探した。



白布「ちょ、お前そこで寝んなよ！」



壁にもたれかかって力なく座るAに声をかけて、

やっと鍵を取り出して、開けようとした時。



白布「ぶっ！」



鍵を刺すより先に、玄関の扉が開いて、

顔をぶつけた。



「えっ⁉何⁉すみません！」




痛めた鼻を抑えて声のした方を見ると、





白布「あっ、及川……さん？」





アルゼンチンでプレーしていると聞いていた、

及川徹がそこにいて。

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