【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#9

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ふわ、と徹くんの香りが私を包んだ。



及川「Aにとって及川さんは、すーっごいカッコよくて、

　 イケメンで、引け目を感じちゃうくらい

　 すんばらしい人ってことでOK？」



そこまで言ってないけど、と言いかけたら

黙りなさい、と唇を指で塞がれた。




及川「Aは、そんな俺に選ばれた女の子なんだよ」



徹くんの目が、優しく笑って。

私の目を貫いた。




及川「俺が、Aを選んだんだからさ、」




スッと、心に入ってきた言葉は、




及川「Aはこれからも超絶カッコいい及川さんに、

　 安心して抱かれてればいいんだよ」




じんわりと胸に染みていって。




A「その言い方、なんか変態」


及川「なんでそーゆうこと言っちゃうの⁉」



鼻水をすすって、涙をふいた。

顔を見合わせて、お互い同時に吹き出した。



及川「…寂しい想いさせて、ごめんね」



徹くんの大きな手が、私の頭を撫でる。




及川「…俺だって、それなりに不安なんだよ」




徹くんが、私の肩にぽふんと顔を埋めた。




及川「…Aから電話きて、めっちゃ焦った…」



背中に回された腕に、力がこもる。

私も、背中に腕を回した。




広くて、大きくて、筋肉のついた背中が、


今日はとても、小さく感じた。

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