【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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______


教材を片付けて、冷やし中華を一緒に食べて。


俺が再び教材を開くと、

Aさんも向かいに座ってパソコンを開いた。



国見「レポートですか？」

A「そー」



Aさんがストロベリーティーのカップを、

俺の目の前にもいれてくれる。


礼を言って古典の問題集に向き直ると、





______…なんだこれ






そもそも分からない問題が出た。



国見「Aさん…ここ…」


Aさんは、どれどれ？と

テキストを自分のほうに引っ張ると


しばらく考えて、



A「あ、これ、ここ聞かれてるだけだよ。

　 助動詞の"けり"は和歌の中だったら詠嘆でしょ」

国見「…あー」



礼を言うとAさんはまたパソコンに向き合う。



時々しか質問しないけど、

Aさん、結構頭いいし教え方も分かりやすいと思う。


国見「Aさんって教えんの上手いですよね」

A「そうかな？」


嬉しいなーと少し照れて、

パソコンの手を止めて思い出すように宙を仰いだ。



A「飛雄とかにしょっちゅう教えてたからかなー」







______…"飛雄"、ねぇ






A「あ、国見ちゃんあのね、今日はいいものあるんだよ」




Aさんは、ちょっとまってて！と嬉しそうに言って

キッチンにかけていった。

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