【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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A『ねぇ国見ちゃー…』



振り返ると、



ソファに寝そべって、

すよすよと寝息を立てている国見。




______…綺麗な顔してるなぁ




そう、心に思ったのは覚えている。




どくん、どくん、と早くなっていく心臓が、

胸を締め付けて痛い。




自分がなにをしようとしているのか。




もう頭はいっぱいいっぱいだけど、

視線は国見の唇に注がれていた。





ソファにぎし、と手をかけて。




顔を近づけると国見の吐息が前髪を揺らした。





自分の顔に熱が集まっていくのが、

手に取るように分かる。






______…付き合ってるんだし、いい、よね？







逸る心臓、高鳴る鼓動。


熱い頬と前髪を揺らす熱い吐息。





無防備な国見の唇に、そ、と自身のを押し付けた。





国見『ん、』



A『！！』




国見がぱち、と目を覚まして。

咄嗟に顔を背けた。



国見『すみません、俺寝てました…？』

A『う、うん！あ、で、でもちょっとだけだったよ！』



真っ赤な顔を国見に向けることも出来ず、

ただ胸を抑えて、乱れた呼吸を一生懸命落ち着けた。






______





「______…それでは、誓のキスを______」






神父の声に、2人向き合う。


ベール越しにアキくんと目があった。




何回も、何十回も、何百回もしてきた、

あなたとのキス。





私にとっては、いつだって"誓のキス"だった。







優しく微笑むアキくんが、ベールに手をかけて。








頬に、大きな手が添えられた。

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