【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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______



Aさんが胸元をととん、と叩いて、

唇を離した。




A「かわいー！」




自身の左手薬指をキラキラした瞳でじっと見て、感嘆した。




Aさんは、もう4年生。

来年には卒業して、社会人。



俺はまだ3年だから、来年も暇な学生で。



だから、今日この日。




絶対に言っておきたい言葉があった。



絶対に聞いて欲しい、言葉があった。




彼女の左手を持つと、キョトンとした顔をした。




国見「…俺、まだ学生だけど、

　 指輪も安物で申し訳ないけど、」




Aさんがブンブン、と首を横に振ったので、

最後まで聞けよ、と言ってデコピンすると大人しくなった。







______…あぁ、心臓がうるさい








国見「でも、絶対…絶対俺が幸せにするから。


　




　 だから俺と、







　 結婚してくれませんか…______」





手の甲にそ、とキスをした。



Aさんは目を潤ませて、

今度は、はい、と首を縦に振った。





ちゃんとしたプロポーズは、まだもう少し待ってて。





今はまだ、俺のものだと思わせて。

今はまだ、俺のそばにいると約束して。









______…いつかちゃんと、伝えるから









Aさんの瞳が、俺の目を捉えた。





A「______…すき、」





Aさんの顔が、近づいてくる。





国見「…俺はね、だいすき」






その近づいてきた頬を持って、



深く、深い、キスをした。

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