【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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レストランから居酒屋に移動して。


俺は足りんかったからまた飯食って、

Aはお腹いっぱいとのことで、


ずっと酒飲んでた。





で、





A「でねぇー、アキくんがねぇー」





うへへ、と笑いながらハイボールのジョッキ片手に

"アキくん"の話をされている。


さっきのレストランでは"彼氏"とか"英"って呼んでたから、

まあ、ご覧の通りベロンベロン言うこっちゃ。



時計を見ると22時を過ぎたところ。


今日は仙台駅付近までAに来てもらってるから

Aん家は結構ここから遠い。


この酔っ払いを1人で帰すんは危ないし、

これ、やっぱり送ってかなあかんよなぁ。



宮治「トイレ行ってくるわ」

A「はーい」



またうへへ、と笑うA。

何がおもろいんか分からんけど。


めんどくさ、と思いつつ

先に会計を済ませて、ついでにトイレに寄った。



トイレから戻ってくるとAは、



机に突っ伏して、腕を枕にしてすやすやと寝息を立てていた。








______…寝とるし、









宮治「おーい、Aー」



肩を掴んで揺すってみるが、全く起きる気配がない。





______…まつげ長、





"元"好きな人の寝顔を見つめて、頬を撫でた。



高2の時に彼氏ができたって報告されて、

この気持ちを吹っ切るのに、ここまで結構時間かかった。



けど、たまにこうやって一緒に飲むとな、

酒入ってるからなんやけど、




宮治「…なんで俺ちゃうんやろなぁ」




って思うんよ。




Aの栗色の髪を掬って、その髪にキスをした。


ちょうどその時、ガラって個室の扉が開いて。






「…Aさんが、俺がいいからでしょ」








______…あぁ、アンタが"アキくん"か？

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