【冬の日】 ページ17
______
及川「…うー…さむ…！」
身震いして、マフラーに顔を埋める。
腕時計で時間を確認すると、
現在昼の12時20分。
Aとの約束は12時。
______…もー、おっそいなぁー…
Aから、2週間前にメールがきて。
A『あの時のデートの続き、しませんか？』
なんて可愛いこと言われて即OK。
ただ、12時集合にする？とAが言ってきたくせに
遅れてくるのは解せぬ。
道端の柵にもたれかかって、
ポケットに手を突っ込んだ。
青い空に向かって、ハァーと息を吐くと
雲のように白い息が漂う。
A「と、おるくん！」
及川「お、わっ」
どこからともなく出てきて、
飛びついてきたAを受け止める。
A「ごめんねー…！」
相当走ったのか、息が上がっている。
膝に手をついて、肩で息をするAの背中をさすった。
及川「え、てかそのカッコで走ってきたの⁉」
A「？ そうだよ、変？」
______…変もなにも、クッソ可愛いんだけど
白のタートルネックのニットに、
グレーのチェックのサロペットスカート。
ベージュの長めのトレンチコートを羽織って、
黒のベレー帽がよく似合う。
足元は少しゴツめのブラックヒール。
ほんと、この靴でよく走ってたなって思う。
A「？」
及川「…Aは遅れてきたので、冷え冷えハンドの刑でーす」
キョトンと首を傾げるAの頬に、
両手を添わせた。
A「つめたっ⁉さむっ⁉え、ごめん！」
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作者名：カカシ | 作成日時：2019年12月11日 13時
