【菅原孝支】これを愛と呼ぶなら。#8

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努力、か。



何をもって、努力と呼ぶのだろうか。


人の心に踏み入って、壁を壊して、





それで、





何かを変えることは、怖いだろう？


何かが変わることは、怖いだろう。



人の心に踏み入る努力は、

その壁を取り壊す努力は、





私がいくら努力と称してそれをやったとて、






相手は、いったいどう思うだろうか。







赤葦〈菅原さんは、逃げるような人じゃないと思うけど〉







…京くんの声は優しくて、そして冷たい。









思い返せばスガさんは、




あのあと何回か話そうとしてくれたし、

教室にまで来たことあったし、


メールも何回かきた。




私は





"受験勉強忙しいだろうから邪魔したくありません"







と言って、逃げた。









______…京くん、私分かってるんだぁ…









______…逃げてたのは、私だけなんだよ。









ふと、カレンダーを見上げる。








3月1日









卒業式まで、あと3日。




ここ最近新チームになって、インターハイに備えて

部活が忙しくなっていることに加え、


在校生の代表として臨時委員会に駆り出されちゃって

卒業式のお手伝いしなきゃいけないから、



ほんとに結構忙しい。







赤葦〈Aは、菅原さんのこと好き？〉








ねぇ、まだ、間に合うかな。








もう少し、待っててくれるかな。







我慢していた涙が、頰を伝って落ちた。





胸が締め付けられるように痛くて、

どんどん心拍数が上がっていく。







…あのね、スガさん。









______…私、あなたのことが、









A「……すきです…」

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