f i v e ページ5
｢あと必要なものは大丈夫？｣
これだけ？
って聞いてくれたらいいのに
それすらも聞いてこないジヨン。
だって
帰る家が変わるって言うのに
ジヨンの手にあるのは紙袋一袋。
着替え、のみ。
だって
わたしの部屋のものは全部、
ヨンベの思い出がありすぎる。
この部屋はわたしのものよりも
ヨンベのものの方が多いくらい。
『ありがと、ジヨン。』
ジヨンがいなかったら
きっとわたし今頃しんじゃってる。
｢じゃあ、ちゅーして。｣
顔を上げる前に近付いてきたジヨンの顔。
ちゅ
って触れるだけの小さなキス。
3回目のジヨンとのキス。
はやくヨンベの唇を忘れ去られてほしい。
はやくヨンベの顔を声を体を優しさを意地悪さを
この気持ちを忘れ去られてほしい。
そんなことできるはずないのに。
だって、ほら。
｢え？！
A、仕事っていってたじゃん！｣
エレベーターが止まったら今一番会いたくない人。
へらへら笑って容赦なくわたしの心に入ってくる。
『なにか忘れ物？』
出来るだけ普通に。
出来るだけ笑顔で。
こんなタイミングで
この期に及んで
わたしがヨンベを本気で好きだったなんて
バレたくない。
ずっとずっと貫いてきた
つまらない、つまらなさすぎるわたしのプライド。
YB｢ジヨン、Aちょっと借りていい？｣
ジヨンの返事も待たずにわたしの手を掴んで
歩き出すヨンベのせいで
ジヨンに繋がれてたもうひとつの手は簡単に外れた。
と、思ったら
ぐいっ
て後ろにかかる重力。
GD｢Aは今から俺んちに行くんだけど。
ヨンベには言っとくわ。
今日からAは俺の家に住むことになったから。｣
ジヨンがいつもヨンベと二人きりのときに
どんな感じでヨンベに話してるかわからないけど
きっとこんな口調じゃない。
だって、
わたしには見せたこともないような
睨むような目で
そんな怒ったような口調も
わたしは知らない。
YB｢うん、わかった。
ジヨン、Aの手離して。｣
ヨンベも売られた喧嘩を買ったような口調で。
ジヨンはわかる。
そういうのはわかるけどさ。
ねぇ、
ヨンベに怒る理由なんてあるの？
『離して、ヨンベ。』
にっこり笑顔を崩さず。
だって、
本当はこの手に縋りたい。
笑顔で強くいなきゃ
今ここに立っているのも困難になるの。
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homie.(プロフ) - あや1104さん» コメントありがとうございます。少しづつですが更新がんばりますので最後までお付き合い頂けたら幸いです。 (2018年6月17日 2時) (
レス) id: f34b59ce72 (このIDを非表示/違反報告)
あや1104(プロフ) - はじめまして。せつないですね。続きがとっても気になります。 (2018年6月7日 13時) (レス) id: 4653acb7ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：homie.
| 作成日時：2018年4月23日 10時
