f o u r ページ4
｢Aの家から持ってきたいものある？
あるなら今から取りに行こ。｣
くちゃくちゃに落ちた化粧を
コットンで綺麗に拭いてくれたジヨン。
ジヨンを好きになれたら
しあわせになれる？
ううん
ジヨンも所詮はちがう世界の人。
ジヨンにしたところで
わたしが傷つくのは変わらない。
『わたしね、』
｢ん？｣
ジヨンの車に乗り込んで
口を開いたのはわたし。
『今までもこれから先も
ヨンベだけだよ。』
信号が赤でジヨンはこっちを向いてたから
ジヨンの目をまっすぐ見つめた。
少しは動揺すればいいのに。
｢知ってるよ。｣
少しも瞳を揺らすことなく
また柔らかく笑うジヨンに
心臓がチクチクした。
それから何か喋る気にもなれなくて
また沈黙。
ジヨンとの沈黙は嫌いじゃない。
時折、ジヨンから聞こえてくる鼻歌が
とても素敵だから。
ヨンベは鼻歌じゃなくて熱唱。
つねに。(笑)
でも、
ジヨンは鼻歌。
耳を澄まさないと聞こえてこないくらいの音。
｢綺麗なメロディーでしょ。｣
わたしが鼻歌に聞き入ると
片方の口角だけあげてドヤ顔。
『新曲？』
｢ちがうよ。
Aを愛しいって思ったら
浮かんできた。｣
なんの恥ずかしげもなく
わたしの前髪をくしゃって。
歯の浮くような言葉を
ジヨンはたくさんくれる。
こんな口説き方されて
落ちない女はわたしくらいでしょ？
って本気で思う。
だって
ジヨンはかっこいい。
ジヨンはかわいい。
こんなにも優しくて
こんなにも男らしくて
王子様ってジヨンのためにあるような言葉
｢俺が王子ならお転婆なお姫様に
手を焼きっぱなしの幸せ王子だな。｣
って笑うジヨンのすべてが完璧。
『ありがと、いってくる。』
｢俺も行く。｣
わたしのマンションについたから
降りようとしたらジヨンも降りた。
｢ん。｣
って差し出された手を握ったら
ぎゅって握り返してくる感触に
何故かひどく安心した。
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homie.(プロフ) - あや1104さん» コメントありがとうございます。少しづつですが更新がんばりますので最後までお付き合い頂けたら幸いです。 (2018年6月17日 2時) (
レス) id: f34b59ce72 (このIDを非表示/違反報告)
あや1104(プロフ) - はじめまして。せつないですね。続きがとっても気になります。 (2018年6月7日 13時) (レス) id: 4653acb7ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：homie.
| 作成日時：2018年4月23日 10時
