オネーサン楽しい? ページ46
手を繋いで2度目のへきトラハウス。
へきほーさんは驚いてて、相馬さんはそっか、なんて笑ってくれて、それからわきをくん。
「オネーサン楽しい?」
なんて意地の悪い顔で聞いてくる。
「楽しいよ!」
笑って返せば、彼も笑ってくれた。
パグキンさんとも2度目のご対面。
「ジンがお世話になってます。」
ふすふす
「まだ多分勝てないけど、君とは休戦だね」
ふす
「よろしくね」
わう
「何こそこそ話してんの」
パグキンさんとお話してるとジンが隣に座る。
「ナイショ」
「パグキンさんに変なこと吹き込まないでね」
なんてパグキンさんの耳を両手で軽く抑える。なにそれ。
「パグキンさん実はね」
「わーわー」
「ジンくん何おっきい声出してるの」
ひょこりとリビングに顔を出した相馬さんに一瞬目を向けたジンはまたパグキンさんに構い出す。
「パグキンさんの教育衛生上よろしくない」
「えー、俺が聞きたい」
「わきを、殴れ」
「殴ったらオネーサンあとで教えてくれる?」
「こっそりね」
「俺の扱い!」
「なにしてるんすか」
「へきほー!へきほー!こいつらやばい」
「いつもじゃないすか」
「はーい、仏にも見離されたー」
「えー」
みんなが笑っててその周りをパグキンさんがふすふすと鼻を鳴らしながら駆け回る。
ああ、暖かいね、ここも。
「じゃあそろそろ行くね」
「ん」
「オネーサンどっか行くの?」
「もう1箇所行かなきゃ行けないとこがあるから」
あー、なんてわきをくんは頷く。
「俺が送ってってあげたいとこなんだけど」
「お前免許落ちたじゃん」
「そうなんだよねー」
「大丈夫、ひとりで行けるよ」
立ち上がってお邪魔しました。なんて言えば、みんなまたおいでね、なんて笑ってくれた。
パグキンさんも相馬さんの腕の中で多分、笑ってくれてる。
駅までジンは特に何も言わなかった。
彼の鼻歌に耳を傾けて、たまによく分からない替え歌に笑って。
「夜行く」
「分かった、LINEするね」
「ん」
ジンと別れて、電車に乗り込む。
目的の駅で降りれば改札の前にサグワくん。
「乗って!」
「え、」
「来るって聞いたからさ、迎えに来ちゃった」
ほら!なんて助手席のドアを開けてくれる。お言葉に甘えて乗り込むと、彼らしいEDMが流れている。
「この間大丈夫だった?」
「ねえやっぱりさ」
「あ、覚えてないんだね」
「ほんとにごめんね」
言えばいいのいいの!なんて彼は笑う。
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美月(プロフ) - 複雑な人間関係とかも丁寧に表していて、凄く楽しかったです。深く感じました。楽しかったです。ありがとうございました。 (2019年8月3日 2時) (レス) id: 44a792e69c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり(プロフ) - 思い出して読みたくなる素敵なお話ありがとうございます。また読みに来ます。 (2019年5月13日 23時) (レス) id: 3f39f65784 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 素敵な読み物ありがとうございました…! (2018年9月10日 21時) (レス) id: 9f5b6c1252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うた | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/deepblue
作成日時:2018年4月26日 1時