バニラ嫌い、かな ページ33
漏れる声に自分の中でなにかが満たされていくのを感じる。
包帯が取れるまで来ないでいれば、こいつが気付くことはないと思っていた。
ただどうやらアイツは口を滑らせたらしい。
もっとやっときゃよかったわ。やっぱ。
キスをしながら靴を脱いで、Aをそのまま抱き上げる。
「え、靴」
「脱がしてやるから黙って」
ベットに押し倒して、靴は後ろに投げる。
首に顔を埋める。
枕元から香ったバニラの匂いに舌打ちをしそうになって、それを抑えるようにそのまま噛み付く。
「いっ、」
彼女が声を上げる。
それに気を良くした俺は服を脱がせていく。
触れる度漏れる声も上がっていく息もお前が呼ぶ俺の名前も全部が俺を満たしていく。
気まぐれだこんなのは。
なのにどうしてこいつからは離れられないんだろうな。
眠ってしまったAの髪を撫でる。
口元が緩んだのも、きっと気のせい。
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美月(プロフ) - 複雑な人間関係とかも丁寧に表していて、凄く楽しかったです。深く感じました。楽しかったです。ありがとうございました。 (2019年8月3日 2時) (レス) id: 44a792e69c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり(プロフ) - 思い出して読みたくなる素敵なお話ありがとうございます。また読みに来ます。 (2019年5月13日 23時) (レス) id: 3f39f65784 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 素敵な読み物ありがとうございました…! (2018年9月10日 21時) (レス) id: 9f5b6c1252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うた | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/deepblue
作成日時:2018年4月26日 1時