Girls just wanna have fun (ページ7)

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目を覚ませば空は赤く染まり始めていた

隣にいるAを見れば安心したように眠っていて

なあ、同じ夢見てるのかな

ずっと一緒にいる、なんて、また俺らしくもない夢

愛してるって、口に出せば
俺にも様になるように見えるんだろうか

まあ、どうせ届かないんだからやめてしまおう

眠ってるお前から返ってくるはずもない視線に、
それでもその綺麗な寝顔から目が離せない

「なあ、やっぱりさ、」

お前がいるときだけが満たされてるんだよ

いないと寂しくて堪らなくなるんだよ

口には出さないけど

許されるなら一日中ずっと
ずっと抱き締めていられたらいいのに

それでもお前は目を覚ませばきっと俺の腕の中からすり抜けて
寂しそうな顔で帰って行くんだろう

予想通り目を覚ましたAは俺の腕の中から出ようとする

寝惚けたふりをして腕の力を強める

困ったように笑ったAは少しだけ俺の腕の中に滞在して、それからそっと脱げ出した

Aがいなくなった部屋で1人タバコを吸う

目頭が熱いのは寂しいからじゃない

煙が沁みたからだ

そう言い聞かせてただ目を閉じた

「愛してる」

部屋に溶けたその声は
どうしたって俺には似合わない

俺だけのお前だったら
この家の前の道を走って追いかけるんだろう

今すぐにでも会いに行って抱きしめるんだ、きっと

お前の匂いがこの部屋に残ってる

お前の体温が俺の身体に残ってる

それが寂しさをきっと増長させてるんだ

許されるならずっと抱き締めていたい

それだけなのかもしれないな

ずっとそばにいてくれって言えたなら
どれだけいいだろう

お前はまたきっとこの家にやってくる

そうしていつかくる終わりまで
ずっと俺のそばにいるんだろう

なあ、お前がいなくて寂しいよ

お前が好きな俺らしくなくてごめんな

久保田利伸さんのmissingをジンくんで。なんでこんなに切ないお話ばっかりなのかなって考えて、ジンくんが切ない曲を歌うからだなって気づきました。あの声にはぴったりかもだけど、ジンくんの幸せなお話も書きたいなあ。